キラ☆キラ

キラ☆キラというタイトルから感じるような底抜けの眩さではない、諸行無常な物事の一瞬の輝きが描かれていて、終盤などはその儚さに心がイラマチオのように飲みこまれてしまった。「ずちゅじゅぽぽ、ん……ふう、じゅぽじゅぽぽぽぽぽっぽー!」「はあはあはあ………………うっ! ……わっほい!」おもしろかった。それぞれの人間が思惑をせめぎあわせて生きているのだから、すべてにとって幸せな結末などないけれど、誰にもどこかで一瞬の輝きはあったんだよねー。
しみじみとさめざめとしながらウィンドウを閉じ、そのあといちおう攻略サイトを見てみたら、いわゆるトゥルーエンドってのがあるらしかったので、それもやった。ほかのルートで起こった決定的な事が別の人物に起こる枝分かれ世界の話だけど、やはりそれでも物事は理想的にまっすぐ進んだりなどせず、有為転変の様相。でもだからこそ儚さは輝きを帯びるよねえ、いとしいねえ、せつないねえとの思いを強くした。
しかし最後の最後、キラ☆キラしたものすべてが過去の思い出になって幸せに暮らしました、めでたしめでたし、というエピローグを迎えた。おれは「キ、キキ、キラ☆キラした過去や理想の輝きにすがる必要のないリア充どもめ! ファック!」と打ちひしがれた。そのときおれの心にはパンクの精神が芽生えていたと思う。さっすがパンクをテーマにしたゲームだよね。……ってそんな納得の仕方があるか! クソったれ!
というか、根本的にエロゲーっていうのは、主人公視点のテキストと主人公視点の女の子の立絵と雰囲気に合った音楽の三点攻めで昇天して到達する感情移入極楽浄土じゃから、小説じゃないから、引いた視点でその後の平安を語る“エピローグ”という形は好きではない、というよりも、さびしくなってしまうのよね。主人公が紆余曲折を経てたどり着いたハッピー、その時におれはただの読者になっているんだもん。いままでおれは主人公だったのに。なんて不公平なんだ。おれにも幸せを頂戴よ!
とかいうのは寂しさの表明であって批判ではないの。ただ寂しいの。良し悪しで感想を言えばすごいおもしろかったよ。だから一ヶ月遅れだけど叫ぶ。
「やめないで瀬戸口廉也!」

キラ☆キラ

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