はてなパーカー欲しくない!

「翻っても翻っても青いパーカー」と誰かが詠っていたのが頭に残っていて、一人で家にいるときなど、たびたびリフレインされていた。その日、カーテンを閉め切った夕暮れの、がらんとした部屋の白い壁、よしかかりながら私は、翻してみようと思っていた。そうしなければならないと感じていた。しかし、私は青いパーカーを持っていなかった。青いパーカー欲しい! ブルーのはてなパーカー欲しい! 厚手の定番ブルーのはてなパーカー欲しい! ちょっとした上着がわりのブルーのはてなパーカー欲しい! 裏起毛ならではのやわらかな着心地とボリューム感のブルーのはてなパーカー欲しい! 綿35%、ポリエステル65%のブルーのはてなパーカー欲しい! ああ! はてなパーカーにブルーがない! はてなパーカー欲しくない!
青いパーカー欲しい! 以降がサビです。