今日の twitter

そのとき、もっとも有名ななぞなぞである『た抜き』がたぬき自身を「ぬき」という単語に変えた。
一見すると意味不明な「ぬき」だったが、やがて、ヌキという名前で呼ばれる格闘ゲームのプレイヤーの存在に思い至り、タヌキをた抜きしてヌキにする行為に、偶然にも意味が生まれた。
「タヌキ(タヌキ)」というシンプルな繰り返しが他の意味ある単語を表すようになるのだ! 世界が変わるぞ!
いよいよ得意になって、頭に電球を光らせ全裸のまま風呂から飛び出しアネモネーー! と声を張り上げた。
パソコンに向かい、「タヌキ(タヌキ)」とtwitterの投稿フォームに書き込んだ。
しかし、推敲もしないでtwitterに書き込むなど考えられないので、気持ちを落ち着けて読み返してみたところ、情報が不足しすぎていて誰にも意味が理解されない気がした。
そこで、「タヌキ(ヒント:タヌキ)」として、括弧内のタヌキが、暗号やなぞなぞを題材にふざけたい時に誰もが採用するタヌキであることの説明を加えた。
違和感がなくなるまで推敲もしないでtwitterに書き込むなど考えられないので、再び読み返したところ、「ヌキ」の二文字は多くの人が取り出せるようなったが、意味までは理解されにくい気がした。
そこで、「好きな格ゲープレイヤーはタヌキ(ヒント:タヌキ)です」として、ヌキという名前の格闘ゲームのプレイヤーが存在することの説明を加えた。
しかしここでまた問題が発生した。タヌキをた抜きする行為(しかも意味付き!)は実現できたが、説明部分が、自分の好きな格ゲープレイヤーはヌキだと主張していると気づいたのだ。
むしろ「好きな格ゲープレイヤーはヌキです」という告白をふざけてなぞなぞ化した、とさえ伝わりそうな文章であって、よく知らないし好きだという気持ちも持っていない自分がそんな主張をしてしまうことは、格闘ゲームやヌキというプレイヤーが好きな人に申し訳ないと思った。
そこで、自分の話だとは読み取られにくく、説明も可能な会話調の採用を決断した。

そんなこんなで、ほんのひとことのつもりだったものが、56文字にもなっていた。
もっとシンプルなままで

  • 「好きな格ゲープレイヤーはタヌキです」
  • 「タヌキ(ヒント:タヌキ)」

あるいは最初のままで

  • 「タヌキ(タヌキ)」

としたほうがよかったかなあと今では思うのだが、自分のその前の二発言が同じくなぞなぞ的な題材で、しかも分かりにくかったような自覚があったので、今度はわかりやすくしたいという思いが過剰に強くなってしまっていたのだ。

エニグマは文字列を一文字ずつ暗号化する機械で、各文字が必ず自分自身とは違う文字に変換されるという特徴があるので、文字が二種類しかない言語であれば、どんな鍵を使っていてもエニグマからは必ず決まった文字列が吐き出される(すべての文字をそれぞれもう片方の文字に置き換えた文字列となる)。
なので、0と1しかないことで知られる二進法をエニグマで暗号化すると、まったく暗号化の意味がなくて楽しい! と思い、「4649(よろしく)」を、二進数で「1001000101001」と表したあと、0と1を交換して「0110111010110」とした。
こうしてエニグマ発言を説明してみてわかったことは、分かりにくさがどうこうというよりも、分かったところで結局のところ「よろしく」だけの発言じゃないかということだ。中身の無さ、周りへの興味の無さにぞっとする。それはもう夏川純なのかというほどに。
そんな日でした。

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上遠野浩平のあとがきリスペクト