FF12-4 〜ルネッサンス〜

好き嫌いが分かれてはいるものの、FF12の戦闘のおもしろさが現代RPGの天辺だという意見は、それなりに散見されるので、もう何も言う事はないんだけど、シナリオが素晴らしいという意見はあまりない。自分以外の評価を見聞きする限りだと、シナリオは薄いだけという結論にしかならないもんな。
でも、おれは、シナリオも大好きなんだよねー。えへへー。
主人公ヴァンの目立たなさ、空気キャラっぷり、が主な理由。
直情的な性格の一般人という昨今の大作RPGらしい主人公を出しておきながら、大作RPGらしいそいつの成長譚にしないというのは、大作RPGの否定、そして古典的RPG的シナリオの復興、いわばRPGルネッサンスだよね。発売前の雑誌のインタビューではヴァンの成長譚だと謳って、CMではキスシーンを流し、PS以降のFFファンに向けられたシナリオだとアピールしていた。それが、ゲームを始めて数時間で、脇役だと思われたバルフレアが「おれがこの物語の主人公だ」というセリフを吐き、大作RPGの象徴であるヴァンを否定するわけですよ。おまえなんか要らねえ、と。そしてそのままバルフレアが主人公としか読み取れないストーリーでエンディングまで進むんだ。ヴァン(とその彼女のパンネロ)はまったく目立たない。ゼノギアスでのリコとか大学でのおれといい勝負。
そしてそんなゲームをおれは楽しんでいる、というのが、大作RPGへの皮肉っぽくも感じられて、ひとりでえへへーと笑っている。
ちなみに「おれがこの物語の主人公だ」というセリフのメタっぽさも好きだ。だってほら、おれってエロゲーとか好きだからさー。えへへー。
エロゲーと言えばアレか、FF12っていうのは、マブラブオルタネイティブなのか。この事前情報との食い違いが。
ともあれ、自意識のせいでテイルズやFF10の主人公が苦手という感情からFF12のシナリオを好くというのは、大変ネガティブな好意なので、ピュアな幼児にはこの文章を読ませないでください。ヨゴレちまうよ。