ジェネジャン

なる討論番組を最後まで見ていた。
見た人にしかわからないだろうけど、とにかくペトロとかいう東大卒の作家のオッサンが強烈なヒール役で素晴らしかった。ああいう人をひとり仕込む事で、もう一気に番組がおもしろくなるよね本当に。まあだから、彼がふかわりょうに「テレビ的な上辺の発言しかしないのかよ」みたいなことを言っていた時に、一番テレビ的なのは実はおまえだよと思わずにはいられなかったわけだけれど。
あと、最後に”いじめるほうといじめられるほう、どちらが悪いか?”というテーマになったときに、演者たちにある程度討論をさせて視聴者を引き込んでから、いじめを苦にして自殺した男の子の VTR を流すというのはズルすぎるだろう。番組が用意した答えが最初からある討論なんて、つまんねえことこの上ないわ。しかも、その答えに持っていくために使う手法が、自殺した男の子のエピソードであるというのがまた酷い。討論という、論理的な意見を交わす場所で、物語の訴求力を使うとはなんたることか! その力のあまりの強大さは、禁じ手であり邪道だ。おれだって泣いちまったじゃないか。なんか良くわからないけれど、いじめられるほうは悪くないよねという気分にさせられたじゃないか。本当は、どっちも悪くないんだという、「タオ」の精神が導き出した中庸な答えを心の中に持っていたというのに。