サマー/タイム/トラベラー 2

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

悠有が手の届かない未来へ跳んでいってしまった事へのせつなさ満開なエンドになるかと思いきや、そうはならず、悠有は何年かごとにひょいひょいとタクトの前に顔を出してしばらく喋ってはまた未来へ跳んでいくということらしい。このままのペースで行けば、悠有は数十万年くらいの記憶を断片的に持つ劣化エマノンになりますね。あと、n次の可能性マトリクスのすべての軸上に言葉を並べてそれぞれのマスをn個の言葉の組み合わせに対応させる事で言葉で表現できるあらゆる現象をマトリクス上に配置することができて云々という話は、タイムトラベルの原理としてどうこうというより、それ自体が楽しめた。
悠有が一巻よりも大分魅力的に感じたので、割かしこれはいい青春小説になったんじゃないだろうか。そんな感想でした。