アドッグインサマー

犬だ、犬。口をだらあんと空けて舌をべろおんと垂らしてさあ。誰に媚びてんだい? 誰にへつらってんだい? そんな人生楽しいかい? 自分らしさっていう大黒柱がその体には通ってないのかい? と言いたくなるような犬畜生に、いつのまにか僕はなってしまいました。ついさっきふとミラーイメージを見てみると、僕は犬のように口をだらあんと空けて舌をべろおんと垂らしていたのです。振るためのしっぽこそ生えていませんが、それだっていつ生えてくるか……にょきにょき。
そんな人間の尊厳も霊長類の誇りも何もないみじめなスタイルでへっへへっへと息を漏らす僕の心が望むことはただひとつ、暑いから! 表面積を! 増やしたい! 嗚呼、暑さは人を獣にするのね。おそろしや。夏なんていらねえよ、夏。