アンダーザローズ 冬の物語

Under the Rose (3) 春の賛歌    バースコミックスデラックス

Under the Rose (3) 春の賛歌 バースコミックスデラックス

ただ人を傷つけまくってただけのライナス少年なのに、こいつは本当はいいやつに違いない、と感じながらおれが読んでいたことを考えると、このマンガはどこで描写してたのかわからないくらいに精緻で妙な心理描写手法によってライナスのいい奴成分を描写してたんだということがわかる。最終話の「俺は牧師になりたい」は、牧師を含むセリフ史上最高の感動と興奮だった。俺を含むセリフ史上でも最高かもしれない。
脱線するけど、ワールドイズマインで「俺は俺を肯定する」っていうセリフがピンとこない。モンちゃんの暴れっぷりとか神性とかは興奮するし大好きなマンガなんだけど、「俺は俺は肯定する」がピンとこない。トシが思いつきで言うならわかるんだけどなあ。
復線すると、こういう心の機微をうがつマンガって男性にはぜったい書けないと思ったってことだ。
ふたたび脱線すると、アイザックとライナスのケンカを見ててふと思い出したのが、苺ましまろにおける殴り描写についてだ。美雨がボケるコマ→美雨が床に突っ伏しているコマという流れで美雨が殴られて吹っ飛んだことを表すのがお約束になってるんだけど、ここは笑いを高めるためにはちゃんとツッコミ的に殴られるコマを入れた方がいいよなあ、でも生粋のロリコンマンガ家としては女の子が殴られるところなんて描きたくないんだろうなあ、難しいなあ、と苺ましまろを読むたびに思う。
ふたたび復線すると、おれは芸能人でも人気者でもなんでもないので、こういった信頼に頼った言い方をしてもまったくおもしろさを伝えないとわかってるんだけど、ほら書くよ。今年読んだマンガの中で一番おもしろかった。
あと、メイドのかわいさが尋常じゃないので、メイド大好きっ子には必携のマンガであり、メイドに少しでも興味があるひとが読むとたちまちメイド大好きっ子になる事受けあいのマンガであると付け加えておく。三巻を読んで三巻の画像をはったのに一巻と二巻の感想を書いたということも付け加えておく。