開け

おい先祖たち、なぜこんな北海道という寒い地域で繁殖して都市を形成しやがったんだよその所為でここで生まれ育っているおれが寒いじゃないか、というおれの声は先祖に届かない。なぜなら、先祖なんてとっくに死んでいてここを見ていないから、という至極当然の理由なんだけど、実際、その声に答えて先祖が北海道を捨てて札幌が生まれなくなりおれも生まれなくなり、するとおれがいないので先祖は北海道で繁殖できて、そうすると今度はやっぱりおれが生まれて云々というような興味深くもあるけど面倒くさいだけの環状構造が始まっても嫌なので北海道の寒さは我慢しよう。それに、先祖の希望もなくしたくないし。せっかく神話の時代にパンドラのバカが箱をあけちゃったときに、運良く “未来が分かってしまう災い” だけが出てこなくて世界に希望が残ったのに、おれが先祖に未来の北海道の情報を与える事で先祖が北海道に対する希望を失くしたらせっかくのラッキーが台無しだ。ゼウスが怒る。たぶんスーパーゼウスも怒る。そしてビックリマンも怒る。
ビックリマンといえば、ビックリマンコーヒーライター、っていうネタを思い出すけど、おれの地元だとヤッターマンコーヒーライターしかなくて、ビックリマンバージョンはヤッターマンコーヒーライターを検索して初めて知った。インターネットは何でも知っててすごいとそのとき初めて思った。