新年

君に届けノーザンライツ、と口に出すより早く新年になるたびに思い浮かぶのが、今年は平成何年だという問いだ。五日を経てもいまだに答えは出ていない。答えのない問いにかまけている場合ではないぞという気になるが、まあ答えはあるところにはあるのだろうな。なにしろ年号だしな。一応、「十九年前後に違いない」と直感が告げてはいるので、それを信じるのも手だが、直感のくせに前後などという曖昧な物言いをするようでは、ちょっと信用する気にはならない。せっかく根拠のない主張をすることが許されている数少ない主体なのだから、ハッキリとしなければいけないぜ直感さんよーと思う。そんなわけなので、知りたければ調べるしかないんだけど、調べるほどは気になってはいない。誰かからそれとなく耳にできればうれしいところだ。とは言っても、人やメディアは、西暦についてのみ言及して新年を祝うので、生活していて平成について知る機会はないんだよな。そろそろ日本ローカルな年号をおれが維持するのは困難だぜ。まあ、昭和プラス二十五年が西暦の下二桁ということと、皇紀が西暦プラス六百六十年ということは知っているので、それと同じように、西暦を平成に変換するための式を覚えればそれでいいんだけどな。でもその式を構築するためには、まず今年が平成何年かを知ってから、引き算という脳を酷使する行為をしなければならず、そんな二段ジャンプをするほどモチベーションは高まっていない。平成を十九年前後すごしてきてもこんな様なので、これからもモチベーションは高まらないだろうな。死ぬまできっと曖昧なままだ。