AIR 第10話「ひかり -light- 」

晴子さんの神社での独白が、喋りも動きも演劇じみていて、ちょっと気持ちが冷めた。バイクでスピンしながら突撃するところまではよかったんだけどね。あと、ラストのキラキラ国崎最高観鈴のシーンも演出過剰気味だった。光の中でクルクル回り始めたときは、少しばかり呆然とした。そらの「そうだ、思い出した。俺はかつて人間だった。俺は国崎往人という人間だった」というセリフも、なんだか説明的すぎて首を傾げてしまった。
といったマイナス要素は、アニメの1〜7話分を、10話のみにまとめざるを得ないという尺の足りなさの所為なので、まあ仕方ない部分なんだけどね。尺と関係ない部分では、そらのデザインがデフォルメされすぎて嫌だったなあ。ポテトのようなマスコットキャラではないのだから、もっとリアルに描いて欲しかった。
あ、もちろんいい部分もたくさんあった。サブヒロインがちょっと再登場していたりして。特に美凪の「いつかその翼で飛べるように」は涙腺にジャブが入った。そらと美凪には飛べないという共通項があるから、美凪の言葉は重く感じる。そして、ひとりぼっちになった観鈴ちんが泣き喚いて暴れるシーンもとても良い。癇癪シーンといい、このシーンといい、アニメ版AIR観鈴ちんの泣かせ方がうまい。基本的にアニメで女の子が泣くシーンなんてのは、萌えるためだけにあるようなものなのに(偏見?)、観鈴ちんの涙は全然萌えない。そして萌えないおかげで、悲壮感漂うストーリーにしっかりと感情移入できる。素晴らしいね。ストーリーの山場でヒロインが泣いているのに、視聴者が「萌え〜」とか感じていたらおかしいから。
そして予告。散髪、車椅子、消え入りそうな「がお」、夕焼けの海でおんぶ。・・・・・涙腺に矢吹ジョーばりのクロスカウンター入ったー! ということで予告泣き。最近は毎週予告泣きしてる気がするぜ。
10話はコミカルな演出がたくさんあったから、結構笑ったんだけど、なんか言及する気にならないな。ストーリーが佳境だから、たぶんおれはもう笑いを求めていないということなんだろうな。