死のロード、一方そのころ

高校を卒業しているということは、甲子園に出場している野球っ子たちの世代、すなわち高校時代がすでに僕の横を過ぎ去ってしまったという事であり、そうなると甲子園球児たちに対して同じ年代なのにすげえなあ云々と詮ないことを考えなくなり、彼らは僕にとって同年代の仲間ではなく、甲子園という物語の中の住人たちと化す。なかまが真っ先に仲魔と変換される。そうやって甲子園を物語として見られるようになってやっと甲子園が楽しくなってきた。パワプロをスポーツ化したものとしてプロ野球(おれがスポーツを見るようになったきっかけはすべてスポーツゲームなので、スポーツは全部スポーツゲームのスポーツ化という感覚。ダビスタをスポーツ化して競馬で、エキサイトステージをスポーツ化してサッカーで、イーアルカンフーをスポーツ化してカンフー、PONGをスポーツ化して卓球)を見るようになってからどれだけたっても、一向に甲子園球場で行われる高校生の試合が楽しめなかったのは、プロ>社会人>大学>高校という野球の実力の序列を念頭において野球を見ていたからで、甲子園(というテレビ番組)は、高校生ががんばったにも関わらず負けてしまうことで視聴者を感動させるためのものであるから、実はプレーの上手さとかはどうでもいいということにやっと気づいた。八回裏に10対0で負けている時に送りバントをしてとりあえず一点を取りに行くというような、勝利にはまったく結びつかない非合理的ワンナウト謙譲行為でさえも、必死で一点を返すことは感動できるから許されるのだということにやっと気づいた。負けたって努力を見せればいいんだ。ナンバーワンにならなくたっていいさ。
っていう考え方に反吐が出まくって喉が詰まって窒息して死んだのでおれの頭上には輪が浮いている。蛍光灯がちょうど切れていたところなので助かった。たぶんこの輪っかには冥府あたりからエネルギーが時空を超えて送られているはずなので、半永久的に光りっぱなしに違いなく、非常に得をした気分だ。セブンイレブンいい気分だ。
要するに駒大苫小牧が強いから楽しいだけなのよ in 北海道なの。