タウ・ゼロ

タウ・ゼロ (創元SF文庫)

タウ・ゼロ (創元SF文庫)

二十歳を過ぎてこんなにワクワクすることがあるなんて! いやあ人間って素晴らしいですね。最強ですね。宇宙なんか目じゃないですね。
男女25人ずつ50人のクルーを乗せた恒星間宇宙船レオノーラ・クリスティーネ号の減速システムがぶっ壊れた。あのーすいませんー、亜光速のまま止まれないんですけどー。しかも、減速システムの修理のために船外になんか出ようもんなら、そこら辺を漂ってる粒子に亜光速でボコスカぶつかって一瞬で死んじゃうですけどー。どうすりゃいいの? うーん……更に加速だ!! スピードをあげて粒子の少ない空間まで飛んでいってそこで修理するんだよ!! いいねソレ!! ということになって、どんどん加速して光速に近づいていくレオノーラ・クリスティーネ号。亜光速で飛んでいるために船外時間と船内時間との差はどんどん大きくなっていく。嗚呼、僕たちの知っている地球はもうないんだね。僕たちはなんのために生きているんだ? とか考えているうちにも船外では何万年も経っている。という時空を股にかけるお話。結末が凄い熱くて燃える。ここまで人類を礼讃されちゃあ、人類であるおれとしては最高だというほかないっていうの。