銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

笑いのネタを説明するような野暮な行為をしないために、コメディ部分の感想は書けないので、おもしろかったとだけ言っておく。ただ、おもしろいとされるネタのいくつかを読む前に知ってしまっていたのが残念だった。
無限不可能性ドライブがいい。全ての場所に同時に存在するという設定から、量子力学とかシュレディンガーの猫とかを安易に使ったうんざりな説明がなされるんじゃないかとビクビクしていたが、されなかったのがいい。いろんな状態が重なっているという設定に出会うたびに、中途半端に量子とかシュレ猫による説明だけはしないでくれ、といちいち願ってしまう。多感な時期にそういうのを続けて読んでしまって超食傷したんだよ。駄作の印だと確信しちゃったんだよ。ほかの部分がよくても、シュレ猫が出た瞬間にシュレディンガー音頭、じゃなかった、舌打ちをする。そんな性格だから、マンガでもゲームでも小説でもおもしれーなーと思っている時にいろんな状態が重なっているという設定が出てくると、心底あせる。まったく、なんて面倒くさい性質なんだおれは。