インストール

インストール (河出文庫)

インストール (河出文庫)

ところどころで言葉を省略するのは文章のリズムのよさに気を配ってるからに違いないと思うし、主人公の女子高生もその文体にたがわない軽快なキャラクターでおもしろかったので非常に満足。
書き下ろしのヘーイヨーメーン! ユーキャンキーピッ! ハハハハハー! は、非ぼんくら男子大学生の脳内というモチーフにおれが興味がないせいか、インスコでの軽快な調子が影をひそめているせいか、さっぱりおもしろくなくて眉がものすごいいきおいでひそんだんだけど、その後、眉を定位置に戻していると、おれは綿矢りさに女子高生を書いてもらいたい、そしてその女子高生に綿矢りさを投影して心を萌え上がらせたいよよよよよぅと願っているだけなのではないかという疑惑をふと感じた。
しばらく考えたあげく、だけとまではいかないのだが、やはり綿矢りさは女子高生を書かねばつまらないと思った。ヘーイヨーメーン! ハハハハハー! のような男子大学生が主人公の小説は(元)男子大学生が書いたほうがおもしろく、うだつの上がらないぼんくら大学生が主人公の小説は(元)うだつの上がらないぼんくら大学生が書いたほうがおもしろく、そしてなんといっても綿矢りさが主人公の小説綿矢りさにしか書けないんだよ。
あ、れ? それってやっぱり投影してるだけじゃね?