セルフ永劫回帰

ざっと思いつくところではアシモフと西尾と舞城とその他数点くらいしかミステリを読んでいないのでいろいろと本格の有名どころなどにも手を出してみたいが、SFの5倍ほどの読者がいるというミステリだから、きっと作者も5倍いて、作品も5倍あって、有名どころも5倍あって、クソも5倍あるに違いないので、SFですでに手一杯なおれにはなかなか入り込みにくく、そんなおれは現実にミステリを見つけるしかないと思い、いま見つけたのが、いったいケクレはどうやってベンゼン環の形を思いついたのかということで、噂では夢に出てきたウロボロスを見て思いついたと言われているが、そんな神話じみた逸話が科学の場に出てくるのはこのうえなくうそ臭いので、真実は俗なきっかけに違いなく、セルフフェラしていて思いついたと明かすのが恥ずかしくて、夢のウロボロスという雅なエピソードを捏造したとかそんなところではないかと目星をつけているのであった。
今年読んだなかでこいつの本はおれには無理だと思い、要するに途轍もなく苦手だと思い、言い換えれば非常につまらないと思い、すなわちおれとはまったく違う世界の作家だと思ったのが、恩田陸桜庭一樹*1なんだけど、その両者を褒めまくっていて、一方でおれの好きなもろもろも褒めている人を見ると、世界は本当に広いなあと思う。もしかして5億平方キロくらいあるんじゃないだろうか。

*1:桜庭はラノベリアルフィクション含む)から完全に脱却したほうが人気がでるように思える。本屋の入り口で恩田陸の隣りを目指すような。