バッカーノ! The Rolling Bootlegs


バッカーノ!―The Rolling Bootlegs


バッカーノ!―The Rolling Bootlegs

二冊に一冊くらいは、こんなにおもしろい小説読んだ事ねえよ! って思うような幸せ読者なおれの思ったことなので自分のことながら信用できないんだけど、こんなにおもしろい小説読んだ事ねえよ! って思った。ということはいままで読んだ小説の中でおもしろさ上位二分の一に入ったということであり、そういってしまえばたいしたことはないように思えてしまう。でも、こんなにおもしろい小説読んだ事ねえよ!
群像劇。おれとおまえとあいつとこいつが街中でニアミスしたり出合ったり。奇跡的な偶然が支配する世界の群像劇。世間って狭いんだねえ。ほんの二日間でおまえら何回再会してるんだ。ありえないくらいの偶然。台本どおりのコメディ。それは笑える。美しいご都合主義。楽しい。これはご都合主義だと感じながら読む。ご都合主義なんだから全部うまくいって、楽しいことになるんだと感じながら読む。バッカーノはバカ騒ぎという意味らしい。この物語はバカ騒ぎだと思える。正しく著者の狙い通りに楽しめている。合っている。好きだ。