宇宙クリケット大戦争

確かに風評どおりこれは前二作と比べれば落ち……てはいないよなあ別に。プロットのグダグダさや無限不可能性やレストラン数論や『他人ごと』の非論理性のせいで、結局どんな話だったのかは読み終わった今でもよくわからないけど、このシリーズに限って言えばそんなものはどうでもいいんじゃないかね。そんな暴論がおれを支配する。笑えるシニカルなジョークはそこかしこにあるし、そればかりか序盤のジョークが終盤のジョークの伏線になっていたりもするので、スラップスティックとしての魅力は前二作とまったく変わらず、そしてこのシリーズの魅力はまさにそこなので、おれとしては大変満足して本を閉じたわけですよ。パタン。
あと、あとがきによると、四作目と五作目もそのうち訳されるらしいので、全国民はチェキすべし。

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)