ヤンガース・カム・ヒア

ローグライク……ローグライク! 違う。ローグライクではない。ダンジョウクロウルもネットハックも大元のローグもおっぱいがいっぱいイズナもほとんどやったことはなく、チュンソフトローグライクであるトルネコの大冒険及びその派生作品がおれのローグライク体験の99パーセント以上を占めているだからローグライクなどという一般的な語が書き出しであってはならぬ。
……不思議のダンジョンのほかのシリーズと比べて、ダンジョンの数は多いが、そのぶんダンジョン間の差異はあまりない。非常に緩やかな難度上昇曲線のうえをチマチマと数十時間かけて昇っていくゲーム。クイズに間違えるたびに徐々に滑り台が傾いていくという水着アイドルが股を開いてふんばる様をお茶の間の届けるためのクイズ番組で言えば、まだ一問不正解しただけ、水着アイドルは余裕の表情で座っており、視聴率は一桁。そんな緩やかな傾きで難度が上昇していく代わり映えのないダンジョンに何度も潜るゲーム。
だからこれはマゾヒスティックな人のために用意された理不尽に思えるような難度の不思議のダンジョンを楽しむゲームではない。仲間にしたモンスターを配合し、自動生成ダンジョンに潜って育成することに主眼がおかれたゲームだ。たしかにダンジョン探索は不思議のダンジョンのシステムなんだけど、そのダンジョン探索にはあまり緊張感がないので、むしろ「これはドラクエモンスターズシリーズのPS2版だ」とモンスター育成の要素を推した方がしっくりとくるくらい。そんな育成ゲーム。思ってたのとは違うけど、これはこれでおもしろい。