ぶらり奇行紀行

そうやって愛想よくしてるけどな、おまえら本当は俺のこと嫌いなんやろ、軽蔑してるんやろ、くそうばかにしやがって、ゆるさん。こうなったら奇行だ、奇行をしてやる。レイプ? 殺人? そんなことするかよ。そんな決まりきった凶悪犯罪じゃあ、ストレスだの現代社会の闇だのついカッとなってだの欲求不満だのといった理由で理解されちまう。俺がやるのは理解できない事。だから奇行。「虐待されました」といって親を警察に突き出してやるのさ。無償で愛してくれる親に対して理解不能の精神攻撃さ。戸惑え親よ、子の突然の奇行に。ゲラゲラ、解からなくて当たり前だ、理解できない行動をすること自体が目的なんだからな。傷つけ傷つけ傷つけよ。そしてその奇行の評判は周囲に広がって俺は誰からも忌避される存在になる。誰とも交わらない。誰からも蔑まれる底辺から、誰にも理解されない高みへと昇華する。いや、違うな、高みですらない。そんな一次元的な評価は許さない。俺は気違いになるのだ。おまえらには俺を理解した気になることすら許さない。だから軽蔑もされない。そんな被害妄想を、自分に許さない。