くもりクエスト

くもりという女の子とRPGごっこをして遊ぶゲーム。ステッパーズ・ストップhttp://www.geocities.jp/steppersstop/

前置き

エヴァ2庵野AIはただのプレイヤーのおれには想像もつかないくらいに作りこまれて繊細で絶妙なゲームマスターとしての動作をおそらくはしていたのだと思うが、それをまったく感じられなかった。その存在がゲーム内で表に出てこないからだ。エヴァ世界の日常を過ごしていてとつぜんフラグが明快でないイベントが起こったときに、それが腑に落ちなかった。ただの乱数としか思えない唐突さだったから。思うに、「どうも庵野AIッス。あと二、三時間で使徒が襲来してくる事にしたんでよろしくッス」みたいな演出がカットインとかで日常(トイレ中とか)にとつぜん挿入され、その上でなにかイベントが起これば、おおAIが見守っているぞゲームマスターがいるぞいるぞ庵野が、と感じたはずだ。現実のTRPGで考えてもわかるが、プレイヤーが人間であるように、ゲームマスターも人間なのだ。僕らは同じレイヤーにたたねばならぬ。ジーリーやフォティーノ・バードのような(唐突な比喩)人間の上位の存在であってはならぬ。対話が成立しなければならぬ。その点くもりは会話の相手というポジションであるから、内的にはどんな乱数駆動のイベントであろうが、そのストーリージェネレーションの不可思議さや唐突さは、「人間だもの」のひとことで納得可能である、と言っている、相田も。という感じで、ガンパレガンオケも絢爛も楽しかったのに、エヴァ2だけ楽しめなかった理由らしきもののひとつを思い浮かばせてくれた。

感想

で、ここからがくもりクエストの感想なんですけど、楽しい。まずボスの強さの表現の仕方がすごい。これがダブルミーニングの「すごい」だということはプレイすれば解かる。強大な存在の威厳をアドリブ創作で表す時に言葉が浮かばなくて突っかかる様とか、弱いと見せかけて実はおれはおまえより強いのだという後付け設定の応酬*1とか、そういった子供らしいその場の思いつきによる楽しさが凝縮されている。これはとても楽しい。くもりが楽しんでいるからおれも楽しい。RPGの処理を忘れられたり、カンスト的大ダメージをいきなり喰らったりもする。自由だ。この辺の楽しさは魔法陣グルグルに通じるかもなあなんていま思いました。RPGに対する態度としても。

*1:時間引き延ばしまたは負けず嫌いまたはなんとなくドライブ駆動による多重変身インフレーション