重力ピエロ

章題や内容からミステリへの皮肉を感じたので、おれがミステリ大好きっ子だったらもっと楽しめそうだと思った。
様々なモチーフがでてくるし、引用も頻繁にでてくるんだけど、訳のわからないレベルのものはなくて、ほとんどの知識が常識の一歩先くらいの範囲におさまっている。専門的なことを扱ってもぜんぜん無駄なことを書かない。作中で説明される遺伝子についての話が、すべて伏線になっていて、それ以上に突っ込んだ知識をひけらかさない。遺伝子はただの伏線。
過去のレイプと現在の殺人という二大事件が、父を完璧超人にみせるためだけに起こったんじゃないかと思えるくらいに、とにかく父がパーフェクトスーパー完璧超人。ガンジーより完璧。弟はまず父を尊敬せよ。
相変わらずクライマックスのよくわからん高揚感はすごい。

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)