実況パワフルプロ野球13

現在もっとも大きい数字のついているスポーツゲームだと思われる実況パワフルプロ野球シッリーズ。
13は、ストレートの体感速度が遅くなることで振り遅れなくなり、変化球の曲がり始めが早くなることで見極めやすくなり、三振のない野球ゲームになった。
三振がないことそのものは、野球としてのリアリティには欠けるものの、スポーツゲームにとってスポーツなんてものはルールの元ネタに過ぎないので、それがゲームを良くするためであるならば、どう改変しても別に構わない。しかも、今は、間口の広さと敷居の低さが幅を利かせていると思われているとおれには思われる時代なので、難度が徐々に下がっていくのは仕方ない。
でも、敷居を下げて間口を広げるんだったら、難度における言葉の使い方を考えるって手もあるよなあ。現在の、『ぷぅ〜』『よわい』『ふつう』『つよい』『パワフル』の五段階では、初心者はちっぽけな自身のプライドを傷つけるために名づけられたかのような『ぷぅ〜』という名の難度なんて選択しにくいし、タイトルにも含まれる言葉である『パワフル』が製作者の想定した難度だと思われるかもしれない。まあ昔からの名残なので変えにくいとは思うけど。

――「パワプロ」は基本の難易度は変えていないですよね?

谷渕氏:最近は、少しいじってますよ。今の若い人にも遊んでいただきたいんで。
インタビュー

でもこんなことを言うなら、最初の話にもどるけど、野球としてのリアリティを失くしてまで取っ付きやすくするのは、パワプロの御新規さんに多いであろう、ゲームにたいして興味のない野球大好きっ子の望むところではなかろうから、三振がなくなるってのは良くないと思うんだよな。だから、基本の難度は変えずに、最低難度を初心者に選択させるように、あるいは最高難度がめちゃくちゃ難しくても納得できるように、難度の名前を変えるというシンプルな手をだねえ……。