スキンツイスター

サイコキネ整形士という未来職業に就いてたら、流行に敏感な美っ少女が「あたいを今どきのギャルにしな」なんて迫ってきて、嬢ちゃんそりゃあ勿体ねえよ、とそういう話。あとはエピローグ。おもしれかった。
しかしまあ、細胞に働きかけて内から形を自在に変えられるとなると、作中のような流行の顔や美形を求める輩のほかに、ふざけたくなるやつが出てくるね。現在の整形技術だと、伊集院光のこぶをおでこにつけてジョロムレバンナのこぶを頭につけて宍戸錠のこぶを頬につけるという程度の単純なアレンジがせいぜいだろうから、中途半端で気持ち悪くなっちゃいそうで誰もやらないんだけど、サイコ整形だと、さらにベースをこぶ平(現正蔵)にするまでできる。トゥーンレンダリングを施してないころのティータイム風スリーディー幼女にもできる。キンニクレンダリングを施してないころの華奢な長渕剛にもできる。というか、人間の形を維持する必要さえないから、顔が三遊亭円楽ケンタウロスにだってできるな。
と、ここまでくだらないことを考えていたら、サイバーパンクという言葉でこの作品が説明されていたのが解かってきた。人体(や世界)を思うままに改変できるこの作品は、舞台が現実世界であっても充分にサイバーパンク。ものごとを容易に変えられることがサイバーパンクであるということ。まあ、作中では、超能力による新しい整形外科手術しか直接には書かれてないんだけど。
で、なんの話だっけ。後藤真希の目の話だっけ。

80年代SF傑作選〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

80年代SF傑作選〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)