言の葉の樹

毛沢東文化大革命なんて子供のイタズラみたいなもんだ。
これは言うなれば文化全革命。何から何まですべて、禁止、違法。燃やしすぎで温暖化が懸念されるくらいにあらゆる本が焚書になっていたり、違法な音程という形や意味のないものまでも禁止するぶっとんだ概念が出てきたりで、とにかくガチガチの禁止っぷりが伺える。そして文化的更地となった世界には、急進的な文化や思想が急進的にねじ込まれ、アグレッシブな発展途上国へと一瞬で変貌。しかし山奥には、昔の文化を知る人々の住む地域が……。
おろしろかったので、もしこれを読んでないおれがいるならば是非ともお勧めしたいね。って、ちょっとそこのあなた、他人の振りをしないで。宇宙人地球氏の細胞としての自己という認識の下でおれという一人称はすなわち全人類を指す。生物の境界は皮膚じゃない。重力圏なんだ。おれ、あなた、かれ、かのじょ、それ、すべて、それぞれ、が、おれの一語で表される。しかしねえ、実のところおれにはそんな認識はないのであって、お勧めという表現を使うにあたって他人に影響を与えない日記らしさを保つために、お勧めの対象をすでに読んだおれにしたのだ。これで誰にも勧めないぞ。やはりあなたは他人でしたね。されどもお勧めと書いてみたい。そんな心が生んだ、悲しい悲劇的な劇だったのかもしれませんね。