次世代馬車

「飲酒の検問をやっております。ちょっと息をハーっとやってください」
「ヒヒーン!」
「(ヒヒーンて)……ああ、明らかに飲酒ですねえ。罰金ですねえ。免停ですねえ」
「あのーすいません」
「ん? なんですか。あなたは誰ですか」
「ただの助手席に乗っているものです。こいつは遺伝的にヒヒーンとしか言えない性質なので、私が代わりに釈明いたします。こいつは酒を飲んでいません。私はずっと一緒にいましたからわかります。絶対です。ゆいいつ考えられるのは、数日前に部屋に酒をこぼしてしまったので、家を出る直前に何らかの形でそれを摂取してしまって、それがいま検出されているということのです。しかしまあ、金はいくらでもあるので罰金くらいなら払いますが、免停はないでしょう。なあ、泥腑院朴人よ」
「ヒヒーン!」
そもそもヒヒーンとしか言えないような生物が車を運転してるのが違法というお話。