into the another world

自己を煩悩壱〇八次元上の精神座標としてシミュレーションのなかに近似、複製、配置することで、アイデンティティは形而下の現実となったが、一方で、時空間の物質的イメージ、におい、音、外世界で現実として感じられたあらゆるものは、ユーザーそれぞれがスタイルチートすることで自由にデザインできるため、嗜好に伴って千変万化する化けの皮に過ぎなくなった。内にある本性、変えることのできないわたしがわたしであるという意識だけが、わたしの存在の自己言及的な論拠となり、同時にシミュレーション内で個を識別するタグの役目も果たすようになったのだった──という風になれよ、と思った。メンテナンスに丸一日かかってもその計算機の中におれがいればおれも一緒に一日停止するだけで意識は連続するんだぜ。メンテにゃ気づかない。
「入っちゃおぜ、はてなの中に」
いやーそれにしても、はてなが使えないとインターネットがスカスカでびっくりだ。依存しているなあ。