ハルヒの感想

涼宮ハルヒが強く願った通りに世界が変わる。ただしハルヒ本人はその能力に気づいていない。ハルヒ以外のSOS団メンバーはその能力を知っていて、察知できる。それどころか、時空をまたに掛けて様々な知的集団がハルヒをものすごく注目している。ただしハルヒはそのことに気づいていない。ハルヒのぶっ飛んだ能力によって、主要な登場人物がハルヒハルヒの観察者に二分されているわけです。
この構造が何をもたらすかっていうと、ひたすらハルヒが心を読まれるっていう状況なんですよね。能力を行使しても、その影響は古泉やら長門やらキョンがたいてい解決しちゃうので、結果として残るのは「宇宙人や超能力者や未来人がいればいい」「猫がしゃべればいい」「世界が再編されればいい」などという心の内がみんなに知られたということだけ。もう、心まで覗ける最新テクノロジーを駆使して、いたいけで利発ないとうのいぢデザインの女子高生を集団で盗撮してるような、そんな気持ちになるんですよね。なので、SOS団の日常を描いただけの短編集が好きです。被盗撮者の日常描写! それってまさに盗撮感覚! というわけで。憂鬱、溜息あたりでハルヒに被盗撮者属性が与えられたあとは、ひたすら盗撮ストーリーとして読んでいます。これからも情報統合思念体だのの SF 的な輩には、ハルヒを観察していると匂わせる程度の登場に留まって、ハルヒの全宇宙的な被盗撮者属性のバッグボーンとしてがんばってもらいたいと思う所存であります。
というのが動揺までしか読んでいないおれのハルヒ感想なので、あまりにあまりに変態だと思ったので、なんかストーリーが進展したらしい分裂まで読もうと思いました。それで感想が変わっちゃったら、盗撮! 盗撮! と思っていたことを忘れてしまうかもしれないので、今の感想を書いておいたんだよ。