アイドルマスター

「ディスプレイの向こうの存在である華やかなアイドルを自分で育てられる!」なんてのはアイドルマスターの売りのひとつかもしれないけど、ニコニコで興味を強められたおれにとってはさ、その惹句のなかの視聴対象のアイドルとプロデュース対象のアイドルとは画と曲に関して言えばまったく同一なんだよ。辻加護好きな人が亜美真美を育成するようなのとは違って。
そんなわけで、さんざん512×384のウィンドウの中で唄い踊る彼女らを見たわけだし、ゲームをやってみたところでどんなもんかなーと思ってプラチナ版を遊び始めたんだけど、いやーすごいおもしろい。ニコニコ等で見るのとゲームをやるのとではまったく印象が違う。当たり前な感じのする物言いだけど、これは育成ゲームだし、真はおれが育てたアイドルだし、歌に育成時に感じた物語を重ねられるからね。レッスンや営業を繰り返して育て上げ、過酷なオーディションを力を合わせて勝ち上がった結果として、やっと歌番組という晴れ舞台に立った真を見ることができるわけだから、そこでははちきれんばかりに膨れ上がった真への思い入れや思い込みによってのみ判断された彼女の魅力を最大限に惹きだせている曲こそが良い曲なのであって、耳に残る曲だから『GO MY WAY!!』がいいとか、公式に持ち歌だから『エージェント夜を往く』がいいとか、そういう視聴者的な選択はまったくありえなくて、普通の女の子であるなんていう当たり前のことさえ夢に見てしまう彼女が、その願望を歌声にして表現できる『魔法をかけて!』という乙女的な曲にこそ物語を感じて惚れ入るのだよ。アイドルとしては男っぽくあることが求められるけれど、ボクはただ女の子らしくありたい。アイマスのアイドルの中で最も恋するお姫様と遠くて、だからこそ最も恋するお姫様でありたいと空想している。魔法をかけて! と望んでいる。それが真。もうあまりにもぴったりな曲なので、真は一年間『魔法をかけて!』だけでがんばるべきだと思った。D級アイドル上等だと思った。

アイドルマスター Xbox 360 プラチナコレクション

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