左から右(ゴールド所収)

ゴールド―黄金 (ハヤカワ文庫SF)

ゴールド―黄金 (ハヤカワ文庫SF)

そういえば、アシモフの3ページくらいのショートショートでものすごいじわじわ笑えたのがあったんですよ。そんなことをふと思い出しました。以下、ショートショートのネタバレ要約という暴挙。
フォワードという物理学者があらゆるものを逆にするドーナツ型の装置を作った。その装置は適切な磁場によって圧縮された素粒子で構成されており、ドーナツの穴を通過する物体の偶奇性を変化させる効果があるという。彼は、その装置のデモンストレーションとして自らドーナツの穴をくぐった。しばらくして彼はこう言った。「ああ、心臓の位置も左のまま、盲腸の手術の跡も元のまま、何も逆にはなっていない。実験は失敗だ。わたしはその点に関しては絶対の確信がある。自分の名前がバックワードであるのと同じくらいの確信がね!」
僕はそんな落語風なオチを持ってくるアシモフがとてもいとおしい。息子の名前をアイザックにしたいくらい。