夢みる宝石

いつもなら淫らな夢に耽っている時間帯に夢みる宝石を読んでいたところ、ワールドベースボールクラシックが始まった、というのがおととい。
アメリカ戦。実におもしろい試合だった。センター前にボテボテのサヨナラヒットが抜けようとした時に、セカンドの西岡とショートの川崎がともに打球に飛びつき、届かず、アストロ球団でも見てるんじゃないか錯覚するような大の字でどどーんと倒れこんだとき、抑えきれないこと射精のごとき笑いがこみあげてきた。試合の緊張感ももろもろの不満もすべて雲散霧消して、気持ちよく笑った。筋書きのないスポーツというものは、終わりがおもしろければそれで納得できるんだね。その後、寝た。
いつもなら淫らな夢に耽っている時間帯に夢みる宝石を読み終えたところ、ワールドベースボールクラシックが始まった、というのが今日。
このメキシコ戦に勝って、そのまま日本が調子づいて決勝まで行くとしたらどこの国と当たるのかと考えると、準決勝で韓国、決勝でキューバというメジャーリーガーが全然出場しないオリンピックのような地味なカードになる可能性が少なからずあるので、そうなったらまた笑える。笑ってごまかすしかない。イヒヒヒヒ。
余談だけど、夢みる宝石の感想。
解説では難解だと書かれていたが、登場人物の内面やストーリーが現代にマッチしているのか、信じられないくらい平易に読み解け、見たくもないドラマツルギーの骨子まで感じてしまった。驚いた。ハードSFにテクノロジーが追いついた、とかならわかるが、難解だったファンタジーに現代の感性が当てはまって読みやすくなるとは不思議なもんだ。スタージョンは割と流行っているようだけど、今は読むべきじゃないんじゃないか、と思った。読み易いので、これでは異色な作家という感じがしない。というか、解説を先に読んで難解さを刷り込まれたおれが負け組。
あと、子供のころ蟻を食っていた友人の正体がわかった。


夢みる宝石


夢みる宝石