とらドラ! 1、2、Wii

田村くんの評判の高さを見て、時代の趨勢に鼻ひとつ分くらい置いて行かれた気がしていたので、さて逃避でもしようかと、ツンドラ系美少女から桃太郎伝説2のダジャレ合戦における名文句「車に荷物をツンドラ地方」を思い出して、そのままPCエンジン思いにふけっていた。小学生当時、ヒューカードの未来っぽさには感動したなあ。こんな薄っぺらい板にゲームが! って。ふとした拍子に現代日本にやってきた伊能忠敬がテレビを見て、こんな小さな箱の中に人が! なんと奇ッ怪な! 斬り捨て御免! 斬り捨て御免! と脇差を振り下ろすも、天井の蛍光灯をガシャーンと叩き割ってしまってオロオロするのと似てる。日本の家は狭い。そんな現代伊能。
こんなことを書いてふざけてる余裕はない。今年の末には、ゲーマーたちが狭い日本家屋のなかでWiiのコントローラを振り回して、実際に蛍光灯をガッシャーンと叩き割るのだから。認めたくはないが、一階建てのだだっ広いメリケンハウスでこそWiiは生きる。ちなみに、メリケンハウスが一階建てでだだっ広いのは、アメリカが高重力惑星の都市だからだと信じています。地球の国だとか言われても、おれはアメリカに行ったことないし、実感が湧かない。そんな知識を鵜呑みにするよりは自分の直観を信じるのだ。閑話休題。そしてFPSでこそWiiは生きる。くそ、ということはWiiメリケン仕様か。ミヤモトサーン、ヤポンニカエテキテクダサーイ。
そう落胆するのはまだ早い。狭い日本家屋でもWiiコンを有効に使う手立てはある。例えば、Wiiでテニスゲームを出す代わりに、狭い日本家屋でWiiのテニスゲームをするゲームを出せばいいのだ。そして、ゲーム内蛍光灯をガッシャーンと叩き割ってしまうと、ゲーム内かーちゃんが現れて、ゲーム内Wiiの電源を切る仕様にする(三回叩き割ると、ゲーム内かーちゃんにゲーム内Wiiを隠される。ゲーム内かーちゃんにゲーム内肩たたきをしたり、ゲーム内学校のテストで百点を取ったりすると、ゲーム内Wiiを返してもらえる。)。そうすれば、プレイヤーはゲーム内テニスゲームをプレイし続けるために、ゲーム内蛍光灯を割らない程度の控えめな操作を行うようになり、現実でも蛍光灯はガッシャーンとならない。そう、すべてのWiiゲーは、WiiWiiゲーとして作られるべきなのだ。まあ、どっちにしても窮屈なのに変わりはないのが困ったもんだけど。
そうやってわき道にそれている間にとらドラ!なるものが出ていたので、読んだ。虎が竜を下僕のように扱うという、タイガースファンに優しくドラゴンズファンに厳しい小説だった。青春をドタバタと謳歌している中で、電柱シーンがとても詩的でね、感動した。泣いた。一巻二巻を読んで一番好きなキャラは電柱です。
あと、おれは男子校出身で、あんまり過去と照らし合わせるという楽しみ方ができないので、ラノベ屋やエロゲ屋の方は男子校を舞台にしたラブコメを作っていただければ、おれの感情移入の準備はばっちりですが、そんなものに興味はねえ!

とらドラ!1 (電撃文庫)

とらドラ!1 (電撃文庫)