素粒子
プロローグでミシェル・ジェルジンスキがキリスト教の出現に比肩するくらいの全人類的な世界観の変異のきっかけとなったよと書かれ、本編の現代的な世界観パートを挟み、エピローグでその全人類的な世界観の変異が書かれているんだけど、現代の生々しさに比べて未来像がとにかく純粋で理想的なので、SFっぽいおもしろさを感じた。こういう未来こそ人類賛歌だと思うよね。
あと、本編の現代的な世界観描写が、常におもしろいことを考えているとか尖がった物が全部ちんこのメタファーに見えるとかそういうレベルまで商業主義やらによって欲望を作り込まれていて全然モテないいじめられっこのブリュノ(ミシェルのにーちゃん)のエピソードを通して書かれているので、「現代社会」によって「非モテをこじらせた人」が「これぞ非モテ小説だー」とモテはやして楽しむお話としてはてなダイアリーで被言及のアメアラレやーと思ったらそうでもなかった。小雨だった。
- 作者: ミシェルウエルベック,Michel Houellebecq,野崎歓
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 187回
- この商品を含むブログ (98件) を見る