人間以上

ちょいとしたテレパシー受容能力を持つ言葉を知らない白痴や重度の箱入り娘の行動や思考がたどりやすい! すごい! と思った。社会に所属していない彼らを自然と理解しながら読んでいるだけでおもしろすぎて、最初の数ページからもう取り憑かれたように読みふけった。おもしろかったー。たぶん、スタージョンはそういう心の機微をうがつ作家なのだろうと思った。読み手がそれを読み取らないといけない。布団の中で半分寝ながらストーリーをなぞるだけでは、ストーリーのしょぼいスタージョンは楽しくないのだな。ふりかえれば『夢見る宝石』がつまらなかったのもそういうおれの読み方が原因かもしれない。ストーリーしょぼいとか言っててもしょうがない。

人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)

人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)