太陽の塔
世の大学生協の書店は、十二月の中ごろのクリスマスフェアでこの本を猛プッシュするべきなんじゃないですかね。これはエロス的愛に支配されたクリスマスにぴったりの書というわけではまったくないけど、というか寝る間を惜しんでのべつまくなしくんずほぐれつ前後不覚のプロレスごっこに興じるクリスマスの男女に本を読む暇などはまったくないのだろうから、そもそもエロス的クリスマスにぴったりの書なんて存在しないんだけど、ことクリスマスに大学生協なんぞに顔を出すような独り身の学生に限って言えば、ぴったり。必読。クリスマスイヴの深夜にこそ読むべし。
おれはクリスマスイヴの深夜に読んだわけではないけど、クリスマスに大学生協なんぞに顔を出すような独り身の学生なので、おもしろかった。心が震えた。
というようなことを読みながら思っていたんだけど、最後に本上まなみの書くオビと解説を読んでいたらむらむらと腹が立ってきた。たとえ太陽の塔を読んだことで独り身のクリスマスを有意義に過ごせたと錯覚できたとしても、最後に本上まなみなどという綺麗な文化系女性芸能人が解説を書いてしまえば、すべてが台無し。どんな奴だって、本を読むより本上まなみと過ごすクリスマスの方が有意義じゃねえかと気づかずにはいられない。本上まなみには是非とも責任を取っていただきたい。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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