折れた魔剣

ハイ・ファンタジーと明確にカテゴライズされている作品を読んだ経験が少ないことにたぶん因って、ファンタジー(と明確にカテゴライズさ……)がめちゃくちゃおもしろすぎて飛び跳ねたという経験がないので、ファンタジー(と明確にカ……)は好きではないという意識があったんだけど、そもそもジャンルというのは、分類のためと、それの意味する曖昧な範囲を感じられるだけの経験のない人に、手っ取り早くその意味を伝えるために、恣意的に生まれたものだろうから、ファンタジー界隈について自分なりのイメージさえあれば末端の読者としてはあまり必要のないもので、ましてや「○○というジャンルはつまらない」なんて意識は、不当に、読めばおもしろい作品を遠ざけているので、とっとと根絶し、ファンタジーもファンタジー以外と同等にそれなりの頻度で読むようになるのが常道。わたしゃーそのきっかけを求めておった。
そしてめでたくこの作品、とてもおもしろかった。現実ベースでない壮大な叙事詩の断片というのは、描かれていない世界の広さに引き込ーまーーれーーーるーーーーので楽しいな。現実とは違うあらゆるものが背景にある。なんて未知なんだ。

折れた魔剣 (ハヤカワ文庫 SF (1519))

折れた魔剣 (ハヤカワ文庫 SF (1519))